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京都・老松が贈る、中国の「月を愛でる文化」に着想を得た京菓子風の月餅「香果餅」

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京都の和菓子屋「有職菓子御調進所 老松」には、海の向こうの「月を愛でる文化」との出会いから生まれた菓子がある。その名も「香果餅(こうかもち)」。今回は、中国の「月餅」に着想を得た、京菓子風の月餅「香果餅」を紹介しよう。

日本の季節や文化を次世代へ伝えていく老松

日本では古くから、月はただ夜空を照らす存在ではなく、人々が季節を感じ、歌を詠み、宴を楽しむ対象として親しまれてきた。

とりわけ旧暦八月十五日の「十五夜」は、中秋の名月として知られている。秋の夜、ふと空を見上げる。澄んだ夜空に浮かぶ月を眺め、その美しさに季節の移ろいを感じる。そんな時間もまた、日本に受け継がれてきた季節の楽しみ方のひとつだ。

老松では、京菓子を通して、こうした日本の季節や文化を次の世代へ伝えていきたいと考えている。

旅先で出会った「月餅」

老松では、菓子づくりに携わる者の学びの機会として、年に一度、研修旅行を行っている。旅先の文化や歴史に触れることはもちろん、その土地で親しまれている菓子を実際に見て、味わい、研究することも大切な目的のひとつだ。

そんな旅の中で出会ったのが、中国で中秋節に親しまれている「月餅」だった。月を愛でながら菓子を味わう。形や味わいは異なっていても、季節を感じながら菓子を楽しむという文化には、京菓子にも通じるものがあるという。

一方で、本場の月餅ならではの濃厚な甘さや味わいは、日本人にとっては少し馴染みにくいところもあったそう。

そこで、「月餅のおもしろさを生かしながら、日本の人たちにも親しみやすい菓子にできないだろうか。」と考え、そこから試行錯誤を重ね、老松ならではの味わいに仕立てたのが「香果餅」だ。

月餅を京菓子の感性で仕立てた「香果餅」


「香果餅」は、月餅をそのまま再現したものではない。オレンジピール、レーズン、パイナップルのドライフルーツを混ぜ込んだ白餡を、あっさりと炊き上げた小豆の粒餡で包み、さらにそぼろ状の生地をまとわせ、香ばしく焼き上げている。

口にすると、まず焼き菓子らしい香ばしさを感じられる。そのあとに小豆と白餡のやさしい甘さ、そしてドライフルーツの香りとほのかな酸味が広がる。

月餅から着想を得ながら、餡を中心とする日本の菓子文化と、果実の風味を組み合わせ、異なる土地の菓子文化との出会いを、京都の菓子屋の感性で新しいひとつの菓子へと仕立てた。老松では、この菓子を「京菓子風の月餅」として紹介している。


ラインナップは、「香果餅」と、白餡を粒餡で包んで香り豊かな抹茶を使用したそぼろ状の生地をつけて香ばしく焼き上げた「抹茶香果餅(まっちゃこうかもち)」の2種類。



いずれも5個入/10個入/15個入があり、オンラインストアでも購入できる。

同じ月を見上げ、異なる菓子を味わう

中国では中秋節に月餅を囲み、日本では十五夜に月を眺める。それぞれに形は違っても、空に浮かぶ月に季節を感じ、人とともに食を楽しむという営みがある。遠く離れた土地にある文化が、ひとつの菓子を通して出会う。「香果餅」の背景には、そんな物語がある。

京菓子は、季節を味わうためのものでもある。老松はこれからも、菓子を通して、日本の季節や文化、そして人と人との間に生まれる時間を届けていく考えだ。

いつも見ている月も、菓子とともに眺めることで、いつもとは少し違ったものに感じられるかもしれない。今年の秋は、温かいお茶と「香果餅」を用意して、夜空を見上げてみては。

老松オンラインストア:https://oimatu.co.jp

(Higuchi)

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